
北海道の雪事情@一戸建て

遊ぶには嬉しい・暮らすには辛い?北海道の「雪」
こんにちは!編集部の松下です。今日のブログのテーマは北海道といえば…のひとつ、「雪」です。
真綿のような雪がフワフワと降り積もる様子や、真っ白な雪景色は北海道ならでは。先日編集長の白井がUPしたスキー場の紹介のように、「雪」はスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツをする人や、雪遊びが大好きな子どもたちにとっても無くてはならない遊びの友です。一方で生活者としては大変な要素も。一軒家で暮らす人の朝は、たいてい雪かきで始まりますし、車で通勤する人にとっては冬道運転が必須。バスや列車は大雪による運行の遅れも日常茶飯事です。今日はそんな「雪」ついて、道民の視点から語ってみようと思います。
雪かきに除排雪、冬道運転。道民と雪のリアル
松下が暮らすのは札幌市の北に位置する隣町。都心までは車で30分ほどの距離にありながら札幌よりも降雪量が多いエリアです。

こちらは数年前に玄関ドアが開かなくなるほどの大雪が降った朝の様子。玄関ポーチまで雪まみれです。

駐車スペースの雪を寄せ集めてできた雪山はこのありさま。

庭もテラス窓の1/3まで埋まるため、雪捨て場としての貯蔵スペックがありません。

除雪車が入った前面道路。左わきに見えるのは我が家が敷地内に積み上げた雪山です。通常は3台停められる駐車スペースも、2台をギチギチに押し込む感じに狭まります。道路わきの雪は、年に2回ほど市町村の排雪が入り、敷地ギリギリまでの雪を持って行ってくれますが、ほとんどあてにはできず、各家庭での雪処理が求められます。ちなみに雪の処理について道民は以下のように言葉を使い分けています。
- 「除雪が入る」=市や業者などが通行できる路面を確保するため雪を道路わきに寄せる(受動的)
- 「排雪が入る」=市や業者などが道路の雪を集めてトラックに積み運んで処理すること(受動的)
- 「雪かきをする」「雪除けをする」=自宅など敷地内の雪をスコップなどで寄せ集めること(能動的)
- 「除雪する」=雪かきに加え、除雪機やショベルカーなどを使って効率よく雪を寄せ集めること(能動的)

敷地内の雪処理はどうやって?
こんなに積もった敷地内の雪をどうするのか?各家庭で対処法がありますが、我が家は12月末から3月上旬までの期間、週1回の排雪を頼んでいます。ガソリン代や人件費の高騰で、排雪は回数が減り、1シーズン8回、現在は1回5,000円(小型トラック1台積載分)の計算ですが、やめられません。他に方法としては
- 庭に運んで庭を雪捨て場にする
- 近くの空き地や公園に捨てる
- 敷地内に融雪槽や融雪溝をつくって処理する(地下水を使ったエコなシステムも)
- ロードヒーティングを敷設して融雪する(電気、ガス、灯油など色んな熱源あり)
- カーポートや車庫をつくり、少しの雪かきで済むようにする(屋根に雪が積もる)
などがあげられます。雪捨てのために敷地の裏が空き地だったり、河川敷になっているような立地を求める人もいるほど。北海道で家を建てる時は、「雪処理」についても考えておく必要があるのです。
苦労もあるけど楽しい「雪のある暮らし」
雪の苦労を先にお伝えしましたが、雪国だからこその楽しさもあります。

雪が積もった庭は子どもたちにとってはかっこうの遊び場です。我が家では毎年、子どもたちと一緒にかまくらや雪だるま、雪の灯篭をつくったりして遊んでいました。ご近所には炭火を使って雪中焼き肉をしたり、ウッドデッキにテントを張って雪中キャンプを楽しむ家も。雪国だからこその楽しみ方が色々あります。

クリスマスや正月は、大量の飲み物をテラス窓から雪の中に差し込んで保冷したり(長時間だと凍る)、料理の急速冷蔵に雪を活用しています。写真は伊達巻を巻きすのまま雪に差し込んでいる様子。「雪の下大根」などがあるように、雪は野菜の保冷にもよく活用されていますね。

北国の冬は籠りがちになりますが、近所の河川敷はこんな風で、歩くスキーやスノーシューをしている人たちもいます。犬の散歩には少々深いですが、ワンちゃんは大喜びです。

北海道のクリスマス・シーズンは雪の効果で気分が高まります。ホワイト・クリスマスが楽しめるということも付け足しておきましょう。
道内でも雪の少ないエリアを選ぶ選択肢も
こんな風に「雪」は道民の暮らしにとって、切っても切り離せない存在です。北海道で家を建てる時は、家の造りはもちろん、雪処理についても見通しを立てておくことが必要なのです。

「雪かき」は重労働ですが「発汗を伴う運動」と捉え、エクササイズのように前向きに取り組む人も多く、元気なおじいちゃんのいる家のまわりはきれいに雪除けがされているものです。

こうした雪国特有の暮らしへの適応は、好きなら辛くはないですし、慣れることに尽きますが、雪処理について心配が尽きない人は、道南(函館市など)方面や、苫小牧市、浦河町、釧路市などの太平洋岸エリアの降雪量の少ない地域を検討するのも一策です。
2025年1月現在、北海道・札幌市は雪が少なく暖かい日が続いています。2月には恒例の雪祭りがありますが、今年は雪像づくりの「雪不足」が心配されているそう。とはいえ、北海道の降雪はこれからが本番。今年は雪まつりの様子も撮影してブログにUPしようと思っています。お楽しみに!