移住ストーリー

大自然に抱かれエコライフを実現 北海道ニセコ町Nさん/シノザキ建築事務所 

アイヌ語でマッカリヌプリと呼ばれる羊蹄山(Nさん提供)

写真はNさんが撮影した雪解けの羊蹄山。Nさんのお宅はこの雄大な景色が眺められる場所に建っています。美しい四季の移ろいをカメラに収めるのもNさんの楽しみの一つです。

羊蹄山を眺めながら暮らしたいと、大きなリビング窓を希望

羊蹄山を望む憧れの移住地・ニセコ町。Nさんご夫婦は愛知県から移住し、シノザキ建築事務所(札幌市西区)の設計・施工でマイホームを実現。2018年から。この地でセカンドライフを楽しんでいます。冬を目前にした2024年10月末、Nさん宅をたずねました。

ベルギーで知った自然と調和する暮らしの魅力

愛知県で自動車会社のエンジニアとして働いてきたNさんが田舎暮らしに憧れるようになったのは、在職中、ベルギーに駐在したことがきっかけでした。

Nさん 最初は土日に店がやっていないなど、不便に感じたこともありましたが、仕事を定時で切り上げ、自然の中で散歩をしたり森に行ったり、おおらかな暮らしを楽しんでいる現地の人たちを見て、とても豊かだと感じたんです。人生観がすっかり変わり、日本に戻ってからは、なるべく老後は自然の中で生活をしたいと思い始めました。

冬。夜のN邸とニセコアンヌプリ(Nさん提供)

田舎暮らしをするなら長野か北海道と考えたNさん夫妻。旅行で北海道を回っていたとき、ニセコで「土地売ります」の看板が目に入り、連絡をしてみることに。そこでこの土地を紹介されました。すぐには決断できず、一度愛知に戻りましたが、せっかくだからとまずは土地だけ入手することに。それが2006年のことです。

その後、Nさんは55歳で早期退職し、ニセコに近い京極町で地域おこし協力隊の募集を見つけて応募します。任期を終え、さあ次は念願の家づくりだと、愛知に帰る間際に住宅雑誌を購入。そこに掲載されていたシノザキ建築事務所の住宅の雰囲気に魅せられ連絡を取り、ニセコでのマイホームづくりが始まりました。

コンパクトでいておおらか。薪ストーブで暖を取る豊かな暮らし

ダイニングに向かってつくった扉付き収納は屋久島地杉でつくった同社の造作。テーブルはあまった杉材を使ったNさんのDIYによるもの
1階はおおらかな吹き抜け構造。庭に向かって大きな窓を配し、デッキに出られるテラス窓がある

Nさんはご夫婦と奥さまのお母さまの3人家族。住まいはコンパクトで良いと考え、リビングは設けず、羊蹄山を望む大きな窓に向かって配したダイニングテーブルが家族の集う場所になっています。

夏はこのウッドデッキがリビング代わり。デッキ横にはピザ窯も設置して、アウトドア気分で食事を楽しむそう
キッチンに立つ奥さま。美味しいコーヒーでもてなしてくださった

台所に立つ奥さまも、仕事をしながらふと羊蹄山に目をやることができて癒されるそう。

2階に続く階段横にはバーモントキャスティング社製の薪ストーブをつけました。暖房はこの薪ストーブのみ。吹き抜けを通じて暖気が2階も暖めてくれます。お母さまが1人のときに使えるようエアコンを備え付けていますが、ほとんど使うことはないそうです。

1階通路を挟んだ奥にあるのれんのかかった部屋がお母さまの居室。トイレや水回りにも近い動線を確保した
ニセコアンヌプリが見える浴室

階段を上がると広々としたフリースペースがあり、大きな収納が備えてあります。フリースペースはヨガのインストラクターでもある奥さまがオンラインレッスンを行ったり、Nさんが趣味のテニスの素振りをするのに使っているそう。

奥さま 窓から見える景色をバックに行うヨガはとても気持ちが良く、そんな背景で配信するオンラインレッスンは、皆さんにもご好評をいただいているんですよ。

このほか2階には、書斎とウォークインクローゼットを兼ねたご夫婦の寝室があります。

シノザキ建築事務所の自然と調和する家づくりに共感

右からNさん、奥さま、シノザキ建築事務所代表の篠崎廣和さん

田舎暮らしへのあこがれと共に、なるべく自然に負荷をかけない暮らしを実践したいと考えていたNさん。在職中は社会貢献部に所属し、干ばつのボランティアや植林整備をしたり、市民農園で無農薬野菜を作るといった活動をしていました。

Nさん 家づくりについては、なるべく環境に配慮したいということと、家族が快適に過ごせる断熱性の高い家にしたいという希望がありました。シノザキさんの家は断熱・気密性能が高く、断熱材には天然素材のウッドファイバーを使っています。外壁や室内も天然木や塗り壁など、なるべく自然素材を採用するスタイル。何十年か先に家を壊すようなことになっても、土に還ってくれるような材料を使った「本物にこだわる家づくりをしている」ところに共感し、信頼してお願いすることにしました。

Nさん提供写真

奥さま 外は氷点下で真っ白な雪景色でも、室内は愛知にいる時よりも暖かく、母も私も快適に過ごしています。薪ストーブは夕方に一度炊くだけで、朝起きても室温は18~19度を保っています。薪ストーブの炎を眺めているととても癒されます。魚やピザを焼いたり、豆を煮たりと、料理にも重宝しています。

篠崎社長 ウッドファイバーは蓄熱性が高く、環境負荷も軽減できる断熱材です。また薪ストーブの輻射熱は遠赤外線を発し、家も人もじんわりと優しく暖めて冷めにくい効果があります。断熱性の高い住まいに、薪ストーブの熱を効率よく回す設計を常に心がけています。

畑で大量に採れた食用ほおずき。オレンジ色のフルーツのような甘い果実が入っており、生で食べてもおいしい

Nさんが敷地内の畑で無農薬野菜をつくり、収穫した野菜で奥さまが料理や加工品作りを楽しむ毎日。

奥さま 野菜はたくさんできるので、ご近所に配ったりもしますが、それでも余る時は瓶詰にして保存しています。そのほか、無農薬大豆を使った味噌、チーズ、燻製、そば、ヨーグルト、梅干しなど、色々と手作りしています。

畑仕事のない冬、Nさんは趣味で続けているレザークラフトを楽しんでいます。手帳カバーやティッシュケースを作っては友人にプレゼントしているそう。篠崎社長もプレゼントされた手帳カバーを愛用中です。

除雪ショベルのカーポートもNさんのお手製

畑仕事やDIYに加え、昨年からは地元のテニス協会に参加してテニスを始めたNさん。環境問題を取り上げた勉強会などでも地域の交流を深めています。奥さまはオンラインのヨガ教室やアロマテラピー、九星気学などで、離れた場所に暮らす人たちとの交流も続けています。お母さまもガーデニングや手芸などを楽しみ、週1回のデイサービスで体操をするなど、穏やかな日々を過ごされているそう。

エコロジカルで自然派のNさんご夫婦が叶えたニセコの暮らし。ぜひ参考にしてほしいです。

【2024年10月取材】

自生した木々を生かした自宅前のアプローチ
アプローチ沿いにつくられた薪棚にはびっしりと薪がストックされている
同社主催の「薪割会」で譲り受けたインターロッキングでNさんが自作したテラス
ご夫婦の寝室。一角には本棚を中心に、左手にご主人の書斎、右手にウォークインクローゼットを配置
書斎
ご主人お気に入りの書斎はおこもり感がたまらない
2階フリースペースからの眺望もすばらしい
奥さまの作業小屋。できるだけ雪に濡れないよう屋根がかけてある
夏になるとウッドデッキのピザ窯が大活躍
夕暮れの羊蹄山(Nさん提供)
雪原と昆布岳(Nさん提供)

シノザキ建築事務所株式会社

自然のめぐみが、めぐる家

輻射熱を家の隅々にめぐらせるデザインと最高水準の性能、自然素材へのこだわりで、暖冷房に革新的な効率化を実現したラディアント・サーキュレーション住宅(特許技術)。代表・一級建築士の篠崎も東京からの移住者です。ながく住むオーナー様からは、生活提案力がある、との声を多くいただく 匠の家づくりです。

住所】北海道札幌市西区八軒5条東3丁目7―12
電話番号】011-643-1698
公式サイトhttps://s-machi.com/
【施工エリア】札幌市・北広島市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・ニセコ町・南幌町・⾧沼町・江別市・岩見沢市・小樽市


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    北海道・ニセコ町


    札幌から車で2時間ほどの場所にある北海道・ニセコ町は、雄大な自然が広がる農業の町です。夏は登山やラフティング、キャンプなどのアウトドアが楽しめ、標高1,308mのニセコアンヌプリからは蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山や、遠く日本海を見渡すことが出来ます。極上のパウダースノーを求めて海外からも観光客が押し寄せ、世界的にも知名度が上がり続けています。特産品はじゃがいもをはじめとした地元野菜。移住地としても人気のエリアで、創業支援サポートや生活体験など、自治体のサービスも充実しています。