札幌近郊でカフェをオープン 北海道長沼町Sさん/白田建築事務所
北海道東川町
長沼町は札幌から車で約50分、新千歳空港へは約30分の場所にある田園風景の広がる緑豊かな町です。米どころとしても知られており、農業が盛んな場所でもあります。長沼温泉や長沼ジンギスカン、マオイの丘公園、ハイジ牧場、地元食材を使ったカフェやレストランなど、札幌圏からの日帰りドライブスポットとしても人気のエリアです。子育て支援が充実しており、子育てのしやすさも魅力です。
白田建築事務所で念願のカフェ兼住宅を新築したSさん。札幌から車で60分、のどかな田園風景が広がる長沼町でご夫婦が営むのは、そば粉をクレープのように焼き様々な野菜や肉類、ソースなどを添えていただく“ガレット”をメインにした「カフェ コフェル」です。
店内に入ると連続する大きな窓の向こうに広がる畑のグリーンが目に飛び込んできます。Sさんはご夫婦ともに本州の出身。カフェをやるなら「これぞ北海道」という景色が眺められる場所でやりたいと考えていました。
田舎でのスローライフはご主人たっての希望でした。ご主人は大学教員、奥さまはメーカー勤務とお二人とも勤め人で、やっと北国の街暮らしにも慣れてきた頃のこと。より雪深い田舎での暮らしに、奥さまは当初反対していたと言います。
奥さま「主人が運転中、大変な事故に遭ったことがあり、本当は転勤などの際に本州に戻るつもりでいましたが、そんな大きな事故に遭ってもこうして元気でいるのだと思うと、一度きりの人生、好きなことをさせてあげたいと思い直しました」。
白田さん「この場所を見て、この景色を活かしたい、Sさんご夫婦の希望を形にしてあげたいと思いました。壁や天井材を表しにするので、木の組み合わせや窓の収まりも配慮しました。店舗なので、天井高を2650mmと通常よりも250mm高く設定し、高さ方向も広がりを感じさせる設計にしました」
すべてトリプルガラス入りサッシを使い、窓面積が大きな1階も冬の寒さを感じにくい作り。全面に床暖房が入っているので、放熱器がなく、見た目がスッキリしています。
2階の住宅部分はよりシンプルに。リビング・ダイニングも天井の梁やOSB表しで、床には赤松の無垢材が使われています。構造体を表しにすることでより広さや高さが感じられます。
2階にはロフトがついていて、「収納には事欠きません」と奥さま。友人家族のこども達が来ると、ここが遊び場になるそう。奥の吹き抜けの下は洗濯室になっています。
「スローライフが夢でしたが、人が集まる場所を作りたいという思いもありました」とご主人。入居して半年経っていませんが、ご近所の農家さんからの差し入れや、DIYサポートなど様々な交流が生まれていて、もうすっかり地域に馴染んでいる様子。カフェ コフェルは地域の集まりや催しの場としても愛されていきそうです。
【2019年8月掲載】
白田建築事務所
「質」「素」に暮らす家
「住宅の設計がしたかった」白田智樹さん。働きながら一級建築士などの資格を取得し、住宅設計中心の建築設計事務所に入門。1997年、36歳のときに札幌市手稲区に白田建築事務所を設立した。親切で柔和な白田さんの人柄や、地熱を活用したエコで省エネ、素朴でコスパの良い家づくりに、満足の声が多く寄せられている。
【住所】北海道札幌市手稲区前田9条9丁目1-25
【電話番号】011-686-4001
【公式サイト】https://siroarc.com/
【施工エリア】札幌近郊・ほか全道各地、問い合わせを