お役立ちコラム

自然と人の距離がちょうどいい!当別町で見つけた私たちの暮らしの形

私が家族と当別町に移住して家を建て、暮らし始めてから5年が経ちます。今日は私の移住×家づくりについて振り返ってみたいと思います。

家づくりを考えはじめたきっかけ

私たちが家づくりを考えはじめたのは、2019年の年明け。夫が帯広から札幌への異動を命じられたことがきっかけでした。


まだ子どもたちが小さかった頃。「旅する木」の工房で

当時、私たち夫婦は36歳。子どもたちは8歳、6歳、4歳。最初は家族みんなで札幌に引っ越すつもりでしたが、ふと、この先の暮らしを想像したんです。「このまま、いつまで転勤を続けていくんだろう?あと3年もすれば子どもたちは全員小学生になる。それまでには落ち着いて暮らせる場所を見つけたい」。そう考えたら、このタイミングで家づくりを考えるのもいいかもしれないと、現実味を帯びていきました。


本格的な家庭菜園ができる広い敷地も決め手に

家族で話し合いを重ね、夫は単身赴任で札幌へ。私と子どもたちは帯広に残り、1年かけて土地探しと家づくりを進めることにしました。「いつか」とは思っていたけれど、想像していたより少し早く始まった家づくり。けれど、子育てが一段落したタイミングで、「これからどんな暮らしをしたいか」を夫婦でじっくり話すいい機会にもなりました。

自然を感じながら暮らせる場所を探して


子どもたち自然豊かな公園で

家づくりで私たちが大切にしたのは、「自然を感じながら暮らすこと」でした。これまでいろんな地域に住みましたが、いちばん心地よかったのは、自然豊かな公園で過ごす時間。そんな“非日常の心地よさ”を日常にできたらいいなと思っていたときに出会ったのが、今の土地です。

南側には芝生の公園が広がり、子どもたちは走り回り、キャッチボールをしたり、犬の散歩も気持ちいい。庭には好きな草花を植え、家庭菜園も楽しめる。

夏はBBQや焚き火で友達や家族団らんのじかん。家の中からも四季のうつろいを感じられる、自然とのつながりを日々感じる理想の場所でした。


庭の雪遊び

ストーブの前で寛ぐ子どもたちと愛犬

薪ストーブや焚き火など、火を囲める暮らしも夢のひとつでした。雪の多い地域ですが、ストーブの前で寝ている愛犬を見るたびに、あたたかく満たされた気持ちになります。

不便の中にある豊かさ

とはいえ、夫の通勤や子どもたちの進学を考えると、まったくの田舎は不安。そこで選んだのが「当別町」でした。札幌まで車で約40分。近すぎず、遠すぎず、都会との距離感がちょうどいい町です。

この町には大型スーパーもファーストフードもありません。一番近くても車で25分ほど。その“すぐ手に入らない”ことが、私たちには心地よいと感じています。暮らしに必要なものが最低限あれば十分。便利なものがすぐそばにあると、つい頼ってしまうし、子どもたちも欲しがる。だから、あえて遠くにある暮らしを選びました。

3か月に一度の買い出しがちょっとしたイベントになり、「あるのが当たり前」ではなく「ありがたい」と感じられるように。その代わり、地元で採れた野菜たちがいつでも手に入る。お気に入りのお店には並ばずに入れます。


家族で家庭菜園を楽しんでいます

近くにあってほしいものと、なくてもいいもの。その境目を見つけることは、私たちの暮らしの価値観を形づくるきっかけにもなりました。何でもある便利な暮らしではなく、不便さの中にある豊かさ。それが、田舎暮らしの魅力だと思います。

家づくりを支えてくれた出会い


「旅する木」代表の須田さんを囲む交流会の様子

当別町を選んだもうひとつの理由は、当別の廃校を工房にされている、家具工房「旅する木」とのご縁です。娘の1歳の誕生日に椅子を作っていただいたのが最初の出会いで、かれこれ10年以上のお付き合いになります。まさかあの時は、この町に暮らすことになるとは思ってもいませんでした。


我が家のリビング・ダイニング

今では、ダイニングテーブルや木のキッチンなど、我が家の中心になる家具のほとんどが「旅する木」のもの。自然素材とともに暮らす心地よさを家具を通して感じてきたことが、家づくりにもつながりました。


我が家のキッチン

土地が決まり、建築会社を探していたときに出会ったのが、自然素材を大切にする「辻野工務店」さん。地域に根ざした工務店にお願いできたことで、建てたあとも安心して暮らせるという心強さがありました。

自然素材の内装に、木の家具がしっくり溶け込む空間。どちらも地元の方々に支えられて形になった家には、深いあたたかさを感じます。


南面の道南杉を使った外壁もお気に入り

家の外壁には少しこだわりました。これまで札幌・函館・帯広と移り住み、それぞれの土地での感謝を形にしたくて、南側の外壁には道南スギ、北側には十勝カラマツを使用しました。これまでの暮らしの記憶が、家の各所に息づいています。

この町で見つけた心地よい距離感


ラジオ体操の様子

当別町で暮らして感じたのは、人との“ちょうどいい距離感”。町内会の集まりや学校の行事も規模が大きすぎず、人が分かる。顔を合わせれば自然と会話が生まれ、子どもたちが安心して関われる大人がたくさんいます。


親も子も地域の人たちとの交流を楽しんでいます

おすそ分けや物々交換ができる相手ができたこともこの町に住んで嬉しい事の一つ。以前、札幌のマンションに住んでいたときは、隣の人の顔も知らないこともありました。だからこそ今は、あいさつを交わすたびに「ここが私たちの暮らしの場所なんだ」と感じます。


テラス窓の向こうに広がる冬景色

都会から離れ、自然に囲まれたこの小さな町で、家族とともにゆっくり根を張っていく。田舎暮らしの魅力は、きっとこの“距離感”にあるのかもしれません。

家を建てることは、単に住む場所をつくることではなく、「どう生きていきたいか」を形にすることだと感じています。自然と人、便利さと不便さ、家族との時間。そのバランスの中で見つけた私たちの暮らしの形を、これからも少しずつ育てていけたらと思います。

このコラムを書いた人

のんちさん:整理収納アドバイザー1級

2014年に資格取得後、4度の引越しを経て2021年から活動開始。訪問・オンラインでの片付けレッスンを行いつつ、手仕事のコミュニティも主宰。片付けなどに関する100軒以上のお悩みに触れ、サポート実績は300時間以上にのぼる。インスタアカウントでも楽しくためになる発信を続けている。

のんち|片付け×家事シェアの専門家  https://www.instagram.com/nonchi._.kurashi/?locale=ja_JP

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