
神戸から北海道士別市上士別に移住し、養鶏の平飼い農家に
神戸在住のご夫婦。夫婦ともに登山好きで、ご主人はカナダでの登山経験もあって、「カナダは食料自給率100%を超えているのに、日本の食料自給率はとても低い。いつか田舎で農業をしたい」と思うようになりました。奥さまは「養鶏なら地元で鶏の餌を確保でき、地元の方に直接販売できる。小さく循環して農園を作れる」と考えました。
新規就農の地を探す際も、土地はあっても家はないという第1の壁を乗り越え、北海道士別市の上士別で農業研修を経て2年目に独立。鶏の平飼い農家になりました。
当初住んでいたのは古い農家住宅。しかも大工さんが建てた家ではなく軒の隙間が空いているような寒い家で断熱も入っておらず、薪をガンガンに焚いていました。薪の火を絶やすと室温がマイナスになるほど。あまりに寒くて冬場は2階の寝室を使うのは諦めていました。室内の上下の温度差も激しく、頭のあたりは室温30℃でも足下は寒い状況。寒さで身体がこわばって肩こりや腰痛の悩みも。

大手ハウスメーカーが提供する都市型の住宅では、農作業をしたあとの作業着のまま家に入る際や薪ストーブの薪を家の中に運び込む際に床などの汚れが気になる、豪雪の年では、無落雪屋根ではリスクが大きく、むしろ落雪を前提とする片流れの屋根が合っている、環境に優しい生き方を目指す上で、家づくりに使う建材も、羊毛断熱材や珪藻土、無垢材など自然素材を活かした家づくりがしたいという点などで地元の住宅会社に家づくりを依頼しました。「家じゅうが暖かい家で肩こりや腰痛も減り、冬の生活が違うと生活の質が大きく変わることに驚いています」と話してくれました。
北海道・士別市

士別市は北海道北部の中央に位置し、道立自然公園「天塩岳」をはじめとする山々や北海道第2の大河「天塩川」の源流域を有する水と緑豊かな田園都市です。JR宗谷本線や北海道縦貫自動車道をはじめ、国道や主要道道が接続するなど、交通網は良好。四季の変化がはっきりした内陸性の気候であり、5月~9月上旬までは高温多照に恵まれますが、気温の日較差や年較差が大きく、11月中旬から降り始める雪は、平地でも1メートルを超える積雪寒冷な豪雪地帯です。